コラム

水害への備え

1年の移り変わりは早いもので、花粉と黄砂の飛来が落ち着いたら初夏を迎えますから、次は水害について注意をしましょう。

すでに2026年1月15日にフィリピン ミンダナオ島東海域で台風1号が発生しています。台風の発生は5月以降ではないの? なんて声も聞こえてきそうですが、日本に来ないだけで、すでに台風は発生しています。
ヨーロッパの予報機関(ECMWF)では今年の台風の発生は平年並みかそれより多めと予測されています。

さて、過去の水害を振り返ります。
2019年10月の台風19号は、河川氾濫やがけ崩れなどにより多くの被害をもたらしました。

参考・国土交通省:令和元年台風第19号による被害について
https://www.mlit.go.jp/river/shinngikai_blog/kasen_hyouka/dai08kai/dai08kai_ref1.pdf

この災害での特徴は、急な降雨による河川の氾濫と、内水氾濫です。
河川の氾濫では、長野県千曲川では堤防を越水し北陸新幹線の車両基地が水没。新幹線に多くの被害をもたらしました。
都市部の被害では、東京都と神奈川県の県境を流れる多摩川で、川へ流れ込めないでいる雨水が川から逆流する形で、JR武蔵小杉駅の改札が水没、高層マンションの地下駐車場へ水が流れ込み水没したことで、電気系統が破壊され1週間近く停電しました。エレベータは止まり、オートドアーは開かず、電子錠も機能しない。これでは修繕の費用も幾ら掛かるか分かりません。

そうした被害を防ぐには、止水板やフローガードを用いて水の流れを変える方法が必要です。土嚢などは積む高さに限界もあるため、また重さもあり運び込むのも容易ではありません。
建物の周りを見渡し、周囲より低く、ハザードマップで注意する場所にある際は、積極的に雨水対策を検討してください。
水は低きに流れます。勢いがあっても坂を駆け上がるものではありません。
家、車両、人の命を守るのは普段の心掛けです。

近年の気象を見ても、6月に入ると降雨量が増えて水害を引き起こしています。また近年地球温暖化の影響でしょうか、梅雨と言うよりスコールのように一時的にワッと降って排水しきれない水が溢れたり(内水氾濫)、台風が日本に近い海域の温かい海水温の領域を通過して急速に発達して上陸するなど、過去の経験を超える災害となっています。

そこで、昨今の水害対策について幾つか注意喚起します。
最初はゲリラ豪雨。
1時間の雨量が50mm(5cm)を超えたら危険な状況で、側溝から溢れたり排水しきれずに至る所に水溜りができます。特に車に乗っている人は、アンダーパスは注意してください。アンダーパスには水が集中しますから、大丈夫と思って通過すると抜け出せなくなり自力では脱出できず水没の危険があります。

次に台風と高潮。
筆者個人の経験ですが、2019年の台風19号は東京湾の満潮時間があと少し早かったら台風の通過時刻と重なって甚大な被害をもたらすところでした。また風も強かったので南側の窓には東京湾の海水が巻き上げられ飛沫となって飛んできました。一夜明けると窓には白い結晶が残っていました。
ベランダや庭の草木にも被害が出来ます。沿岸部の人は塩害にも注意が必要です。電線に張り付いた海水はショートし停電を引き起こします。

また外を見て水が、膝近くまであったら歩行が困難になります。くるぶし程度で大丈夫と思っても水かさは一気に増します。
そのようなタイミングでの避難とならないためにも、避難所の開設は無駄と思っても余裕を持って開設すること。避難所の開設も地域の備えです。高齢者が増える中、町会の方には躊躇なく開設する体制を整えてほしいと思います。